小学校に上がる前から漫画が好きだったので、いつも漫画のキャラクターを真似て描いていた。それでも学校の美術の授業で描いた絵はあまり上手いとは言えなかった。鉛筆描きのスケッチはまあまあ悪くは無かったが、色を塗ると酷い出来になった。色の選び方や塗り方がわからなかった。成人し、就職しても漫画は大好きだったが、ほとんど絵は描かなくなった。
随分前に仕事で日本へ寄った折、たまたま本屋さんで『旅でスケッチしませんか』著者:永沢まこと、と言う単行本を見つけた。立ち読みすると文章も面白かったが、それ以上に挿入されていた鮮やかな色彩の水彩画がとても気に入った。その後、何冊か氏の書いた本や画集も手に入れた。いつか自分も、こんな絵を描いてみたい。と、思わせる魅力的なタッチの絵だった。
今年70才になって、以前からやりたかったことをしようと思い立ち、そのうちのひとつが透明水彩絵の具で絵を描くことである。風景画を描けるようになることを目標とし、今年から少しずつ絵を描くことにした。
かなり前に日本の画材屋で買ったターレンス社のプチカラー24色固形透明水彩絵の具と筆ペンを、引き出しの奥のからひっぱりだした。紙は、どれにしたら良いかわからなかったので、メデジンの画材屋でいくつか見つけた。あまり高くない、ALPEN社の水彩用ブロック画用紙(140X215mm, 300g, 50枚)にした。とりあえず、練習するには必要最低限度の道具が揃ったので、9月から描きはじめることにした。
1)山猫
この絵は今年の2月に、塗り絵の好きな6才と4才の孫達のために、ネット上からモデルを見つけて塗り絵用に下絵を描いた。線は鉛筆で下描きをしてから、ピグマペン0.4mmで描いた。下絵はメールで送り、印刷したものを塗り絵に使ってもらった。
9月になって、手元に残った下絵のオリジナルに、自分の練習として透明水彩絵の具を塗ってみた。水を入れた筆ペンで薄く塗りはじめ、乾いてから少しずつ濃い色を上塗りしていった。色塗りはトラウマになったくらい苦手であったのだが、思っていたより上手く濡れたので気分がよくなった。今後の練習にも張り合いが出てきた記念すべき1枚だ。

2)チンパンジー
このモデルもネットで見つけた写真を元に鉛筆で線を描き、後からピグマペンで描いた。画用紙は中目でザラザラした感じがあまり好きではない。今度、紙を買うときは目の細かい物を試してみたい。

3)ミクロネシア連邦、コスラエ島の桟橋
以前、海外漁業協力案件で働いていたミクロネシア連邦の東端に位置するコスラエ島。島内の自分が写した写真を元に、桟橋の風景を書いて見ることにした。ハードルが一気に高くなったので、長い間本棚にしまっておいた野村重存著:「風景を描くコツと裏技」を参考にして描いてみた。
線は鉛筆で下絵を描き、ピグマペンで描き直した。何度か上塗りしたところは、紙の表面がポロポロと剥離してきた。次に買う紙はもっと良い紙を買うことにしよう。混色の仕方もわからまま適当に塗ったので、思ったような色にならなかった。やっぱり参考書をちゃんと読まないとダメだね。

4)ランチプレート
定食屋さんのお昼ご飯を写真で撮った。定食はジュースとスープにメインディッシュ、そして小さなデザートで構成されている。この日のメインディシュはステーキのような牛肉の煮込みの上に目玉焼きが乗っていた。料理用バナナを小さくカットして揚げたもの、野菜サラダの上にはアボカドとトマトの輪切りが乗っていた。その脇にはいつものように白いご飯が付いてきた。コロンビア人は毎日お米を食べる。当地のお米は長粒米で、日本米と比べると甘味と粘りが少ない。米1カップあたり2カップの水に、少しの塩とオイルを入れて炊く。ホカホカの出来立ては美味しいが、冷めるとパサついて味が落ちる。
家に帰ってからメインディッシュを鉛筆で描いて、透明水彩絵の具で塗ってみた。今回の下絵の線は鉛筆で描いてみたが、ピグマペンの方が線がハッキリして好きだ。次の絵は鉛筆を使わずに、直接ピグマペンだけで下絵を描いてみたい。色はまだ参考書をしっかりと読んでいないので、エイヤッと気合いだけで塗ってみた。

4枚ずつ描いたら追加して行こうと思います。